幸せの在りか
「ここでちょっと待ってて。トイレ行ってくる。」
「うん。」
あれもこれも…随分買ったな…。お金、たくさん使ったんだろうな。
バイト早く見つけて返さないと…。
「あれ…、聖良じゃん。」
聞き覚えのある声が聞こえた。思わず顔を上げると、嫌な笑みを浮かべて、全身舐め回すようにジロジロ見てくる男。
気持ち悪い…。
思わず顔を背けた。
「おい、無視すんなよ。こっち向けよ。」
そう言うと顎をつかんで、自分の方へ向けた。