幸せの在りか
あんた、お兄さんにいつも何されてたか聞いたわよ。
その体、私にも見せて欲しいなあ。
何とか…て雑誌に写真でも持ち込めば、スカウトしてもらえるんじゃなあい?」
ニヤッと笑った彼女の顔は、あのおとなしい、儚げな女の子ではない。何とも言えない嫌な笑みを浮かべて近付いてくる。
「今日、また行くって言ってたよ、お兄さん。せめて教えといてあげようと思って。それだけよ。じゃあね。」
背筋が凍りついた。
あの男。私があの家に戻るまで、嫌がらせをするつもりだ。
例え、戻ったところでまたあの悪夢が続くんだ。
…嫌だ。戻りたくない。
でも私がいると誠に迷惑がかかる…。どうすればいい…?
ベンチに座って、膝に肘をつけて頭を抱え込んだ。