幸せの在りか
「…大分かどうかは知らないけど、二週間程田舎に住んでた。おばあちゃんと一緒に。」
「え…本当に?あの…じゃあ近くの川で遊んだりした?」
「うん。…何でそんな事知ってんの?」
「あのさ…俺の事覚えてない?あの時は『ケイちゃん』て呼ばれてたんだ。」
……。ケイちゃん?…ケイちゃん…あっもしかして…。
「あの、ちっちゃくて泣き虫だったケイちゃん?」
「そうそう。思い出してくれた?って、ちっちゃくて泣き虫は余計だよ。」
「あはっ、ごめんごめん。へー、そうなんだ。奇遇だね。何で私だって気付いたの?」
「そりゃあ、あの時、おばあちゃん家にお人形みたいな子が来たって、すごい噂でさ。まるで外国人のような栗色の髪と彫りの深い顔で、名前が『セーラ』だって言えば、すぐわかるよ。」