ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
優しさ
伏せていた顔を上げると、そこには村沢がいた。
今は…
会いたくない、かも─
「あ…村沢先生。秋山さんなんですけど、腹痛がかなりひどいらしくて……」
私の気持ちも知らずに、養護の先生は私の症状を村沢に説明している。
「…わかりました。秋山は僕が見てるんで、先生はどうぞ、観光行ってきて下さい。」
そんな……
「じゃあ…そうさせていただきます。秋山さん、お大事にね。」
養護の先生はそう言うと、村沢に軽く頭を下げて休憩所を出て行ってしまった。
…最悪だ。
私はその瞬間、再び力なく机に顔を伏せた。
「秋山……そんな痛むのか?」
倒れるように顔を伏せたせいか、村沢は心配そうにそう言った。
声からして…
結構近くにいる?
恐る恐る顔を上げると、すぐ目の前に村沢の顔が─
「………っ!!」
驚いた私は、すぐさま顔を伏せた。
なんか……
熱い…?