笑顔
新幹線が通る駅について切符を二枚買った。


本当なら黒澤さんの車で行く予定だったんだけどなぁ。

なんて今更考えたってしょうがない。今を楽しまないと。




隣でお弁当どれにしようか真剣に悩んでる充を見てると凄く和む。居てくれてよかったかも。

「ねぇ、決まった?何でもいーじゃん。早くしないと新幹線でちゃうよ。」


『何でもいいとはなんだ。新幹線で食べるお弁当とは、旅行の醍醐味であって、これからの旅行の最初の思い出になるんだからな。良い思い出を作るためには重要なんだぞ。』


そんな真剣に訳わかんないこと言わないでよ。
面白すぎだよ。


「はいはい、ごめんなさい。でももう時間だよ。おいてくよ。」


充に背を向けて新幹線に向かった。その後ろで充があたふたしてるのがわかって吹き出して笑っちゃった。


「早く。」


振り返って笑ってる私に急いでお弁当を買って走ってきた。

充って可愛いなあ、なんて思っちゃう私って実は幸せなのかも。


凄く格好いいのはみんな知ってるけど、ちょっと抜けてて、こんな子供みたいな充を知ってるのは仲が良い私の特権じゃん。


『お待たせ。』


私のそばで笑顔の充が眩しい。

「じゃ、行こうか。」


適わないけど私も笑顔を返した。




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