はじめてのCHU


次の日も

その次の日も。


私は


麗のお見舞いには行かなかった。

ううん、行けなかった。


病院まで足を運んだり、病室の中をチラッと覗いたりはした。


でも

会うことは出来なかった。



合わせる顔がなかった。


何て声をかけていいか分からなかった。


毎日のように、病室に訪れるけど、




麗はすごく寂しそうな…
絶望感に満ちた顔をしていた。


だから

余計にかける言葉が見つからなくて…


でも

今、思うと

どうしてあそこで、勇気が出せなかったんだろうって思う。



この時の私は
このあとのことを

想像すらもしていなかった。



ここで


会っていれば―――――――――



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