とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~



両親と再会してから監視がひどくなった。


これではターゲットを捜す事すらままならない。


入念に立てた計画もぶち壊され、アンナのイライラは溜まる一方だった。


一人実家を出た半年程前、たまたま知り合った男に拾われた。


とても良いカモだったが、ウイッカの儀式の途中で発作を起こしてしまい目的を達成出来なかった。


そもそも“ウイッカ”はアンナがネットのコミュニティーサイトで作った魔女サークルが発端だった。


兄の事件で外出も許されなかった期間にアンナは仲間を作り、それを利用してデュラハンの頭を捜す計画を立てたのだ。


次こそは!!


そう気合いを入れ完璧に計画した…つもりだった。



今思い返せばおかしいと思う事があった。


集会前の準備で洞窟に訪れた時、誰かの視線を感じたのだ。


やはり気のせいでは無かったと分かったのは最後の儀式の時…


洞窟内に吹き荒れた不自然な風…


次々と人の倒れる物音…


暗闇に目が慣れた時に視界に捉えた“黒いフードの男”…


あの男のせいでアンナのイライラは更に大きくなった。


そして彼女は決めた。



…いつかあの男の頭をデュラハンに捧げよう…



次のターゲットは…



“黒いフードの男”だ!!



< 243 / 474 >

この作品をシェア

pagetop