意地悪な君の彼女は大変
誰もいない。
あたし達の影が、唇が重なっていることは
誰も知らない。
あたし達、二人だけが知っている。
そっと、瑚珀の唇が離れていく。
それをただジッと見つめるあたし。
そんなあたしに瑚珀は耳元に口を寄せ、囁く
“俺の喜びは葉月だから”
さっきとは比べものにならないくらい顔が熱い。
瑚珀はあたしを見て楽しんでる。
「あたし…瑚珀だけが好き……」
そう言ったとき、瑚珀は、
「…どうなっても知りませんよ?」
綺麗に笑って、あたしの唇を塞いだ。
『俺は葉月だけを愛してる』
epsode1.彼氏 END