SIGHT
確かにあの時は頭がボーっとしていた。

考えるという行為がたまらなく苦しかった。



「本当に…覚えてないの?」



「なあ母さん、なんでニュースに父さんの名前が出てたんだよ。訳が解んねぇよ!」


内側に溜まった鉛色の感情が一気に噴き出す。





「父さんはあんたを守って死んだのよ。」



…え?



「あんたが車に牽かれるのをかばって、父さんは…うぅっ。」






…何を言ってるんだ?




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