雪の降る日に
 

「サイトウ…斎藤って…あの中学が一緒だった…?」


「あぁ。なんだよ、結構つるんでたのに村上忘れたのかー?」

佐原はからかいの言葉を投げる。


「いや…へぇ……」


視線が上げられない。
気持ちも、体までもうつ向き加減になってしまったのがわかる。


「斎藤が、言ってたのか…?」


「……? あぁ、昨日偶然会って…って、おい、村上…?」


佐原が俺を覗き込もうとした時、チャイムが鳴った。


「やばっ、俺戻るなっ!──ッ部活ん時な!!」



佐原が一回、俺の肩を叩いて行った。




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