あたしの前だけ俺様王子☆
すると彼は驚いたように振り向いたあと、
少しだけ嬉しそうに笑った。
「ん。お前も早く戻れよ」
それだけ言ってまた歩き出した。
あたしも「はーい」とだけ返事をして彼の後ろ姿を見ていた。
彼が見えなくなってから、あたしはゆっくり座る。
「ふぅ…」
ちょっと、疲れたかも。
でも、ちょっと楽しかった…かな。
あのお客さんは怖かったけど、
アイツの意外なところとかも見れたし、優しかったし。
「ふふ…っ」
案外いいやつかも、アイツ。
そのあとボーッとしてたらあっという間に時間がすぎ、
教室に帰ったとき美紀に怒られた。
それをみていたアイツは、バカにするように笑っていた。