あたしの前だけ俺様王子☆








「先生、何か用ですか?」


自分でもわかる。
きっと、あたしは今怪訝そうな顔をしてる。

そのためか、先生の顔か少しひきつったのがわかった。



「ま、まぁな…。
小野、お前に資料室に行ってきてほしいんだ」

「資料室?」



どこよ、そこ。

急にそんなこと言われたって、場所わかるわけないじゃん。
未だにこの学校の造りを把握できてないのに…


あたしはさらに怪訝そうな顔になる。


「い、いやぁ…。小野くらいにしか頼めるやつがいなくてな…。頼む!次の授業、遅れてもいいから!」


授業遅れてもいいって…
それ、いいの?教師として。


まぁでも…授業サボれるなら。
次はあたしの嫌いな授業だし。



「いいですよ、別に」

「ほんとか!?ありがとうな、小野!」


そう言うと、先生はあたしに資料室までの行き方を教えてくれた。



「じゃあ、頼むぞ!
赤いファイルだからな!」

説明が終わると先生はそう行って教室から出て行った。




大丈夫かな、ほんとに。
あたし少しだけ方向音痴だし。



不安がありながらも、あたしは資料室に向かった。










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