あたしの前だけ俺様王子☆
はぁ、と一つため息をついたのと同時に予鈴が鳴った。
それを聞いた先輩たちは
『あ~、もう鳴っちゃった…』
『立川くん、また来るね~!』
って。
また猫のような声で立川蓮にそう言ってから、何度も何度も振り返りながら自分たちの教室へ帰っていった。
「あたしも席つかなきゃ」
そう呟いてから、あたしも急いで席に向かう。
あの先輩たちのせいでぐちゃぐちゃになった席を元の位置に戻す。
…どうやったらこんなとこまで移動するのよ……
あたしの机は、元あった場所からかなり遠くに置かれている。
きっと、彼を囲むのにジャマだったから押しのけられたんだと思うけど…迷惑な話だ。