あたしの前だけ俺様王子☆
「じゃあ、今日はこれで終わります」
その言葉を聞き、あたしは一気に開放感を感じた。
ダメだ、やっぱりあたしには
こういうの合ってないよ。
無意識にため息が出る。
ふと隣を見る。
さっきまでいたはずのアイツはいつの間にかいなくなってる。
教室にも、もう数人しか残っていない。
…あたしも帰ろうかな。
カバンを持って立ち上がり、ドアへ向かって歩く。
「小野さん」
女の人のその声に振り向く。
そこには、あのときの女の人が立っていた。
「ちょっと、いいかしら?」
そう笑顔で言って、あたしの返事を聞かないまま廊下を進んでいく。
行くしかないじゃん…
あたしはゆっくりとその人のあとをついていった。