あたしの前だけ俺様王子☆
アイツはそのままあたしの肩の上に自分の顎を乗せた。
そのとき少しだけビクッと反応してしまった。
いつものようになにか文句を言ってやりたいのに。
なんだか、色々突然すぎて頭が追いつかない。
なんにも、言えない。
そんなあたしの心情を知ってか知らずか、アイツはクスッと笑った。
「コイツいじめていいの、俺だけなんですから」
肩に顎が乗っているため、耳のすぐ近くから聞こえたアイツの声。
なによ、その楽しそうな声。
“いじめていいのは俺だけ”
って…
何様のつもりなのよ。
ほんとに自意識過剰…
「い、いや!ちがくて!」