あたしの前だけ俺様王子☆
「あ…っ」
急に橘さんが声を漏らした。
そして視線はあたしの後ろ。
その目は、とても光り輝いたもの。
ってことは、まさか…
あたしが後ろを振り向こうとしたとき。
「ー……っ!」
急に後ろへ引き寄せられて。
誰かに抱きしめられるような格好になっていた。
「あんまり俺のお気に入り、いじめないでくださいよ。優美さん」
あたしのすぐ上から聞こえてくる。
やっぱり聞き覚えがある。
アイツの声。