僕らの赤い糸は最初から


「よぉ。」

「…おぅ。」


俺はさっきの男子に声をかけた。


「さっきは助かったぜ。
 サンキューな。」

「…有坂…だっけ?」

「遥でいいぞ。」


渡草と違って、馴れ馴れしいという感じは受けない。

そちらかというと、人見知りという感じだ。

すると、そこへその馴れ馴れしいヤツが現れた。


「恭ちゃん、ありがとー!!
 やっぱさすがだねェ♪」

「俺がやりたかっただけだから、
 まぁ、絵里の役に立てたならいいけど。」


恭ちゃん…???

絵里…????

この二人知り合いか…?????


「あ、遥紹介するね、
 あたしの幼馴染の楓 恭哉♪
 恭ちゃんはねぇ、作家さんの息子なんだよw」

「…幼馴染??」


そうか、だから「恭ちゃん」で「絵里」なのか。

それにしても作家の息子かよ、すげぇ。


「俺の事は恭哉でいいから。
 …なぁ、さっきの公演の事なんだけど、
 俺に…脚本任せてもらえねぇ??」

「!!!!???
 やってくれんのか!!??」


作家の息子の脚本…、怖いもんなしじゃないか。

俺は即答で、恭哉に脚本の依頼をした。

おし、次は何の話をやるかだな!!!

俺は気がつくと、文化祭が楽しみになっていた。
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