オフィスの甘い罠
毒にも薬にもならない地味OL。
それが昼間の世界を
生きてくのには、一番
ラクなんだ。
そんなあたし《梓》が
《紫苑》ってゆー夜の顔を
持つようになったのは、
ほんの偶然だった。
今の会社に入ったばかりの
頃――仕事を終えて夜の
街を歩いてたら、知らない
声があたしを呼び止めた。
真後ろから声をかけたその
男は、振り返ったあたしが
華やかさのカケラもない
メガネ女だとわかると
明らかにガッカリした顔で、
『どうも!
銀座にあるAphroditeって
いう店なんだけど。
お店で働いてくれる素敵な
女のコを探してたんだけど
……キミはそーゆーのは、
興味ないよねぇ〜?
アハハ、ゴメンねぇ』
それが昼間の世界を
生きてくのには、一番
ラクなんだ。
そんなあたし《梓》が
《紫苑》ってゆー夜の顔を
持つようになったのは、
ほんの偶然だった。
今の会社に入ったばかりの
頃――仕事を終えて夜の
街を歩いてたら、知らない
声があたしを呼び止めた。
真後ろから声をかけたその
男は、振り返ったあたしが
華やかさのカケラもない
メガネ女だとわかると
明らかにガッカリした顔で、
『どうも!
銀座にあるAphroditeって
いう店なんだけど。
お店で働いてくれる素敵な
女のコを探してたんだけど
……キミはそーゆーのは、
興味ないよねぇ〜?
アハハ、ゴメンねぇ』