オフィスの甘い罠
『……………』



もちろん興味なんて
これっぽっちもない。



だけどそいつのあたしを
バカにしたような目と
声が、その日のあたしには
むしょうに気にさわった。



このスタイルでいる限り、
男のこーゆー態度は慣れた
もののはずだったんだけど……


まだ慣れないOLライフで、
あたしも微妙に情緒不安定
だったのかもしんない。




あたしは引っ込めようと
してた男の手から無言で
名刺を引ったくると、
そのまま一言も口をきかず
その場を後にした。



そして、次の日。



あたしは自分にできる
最上級の“変身”をして、
その店に面接に行ってやった。
< 14 / 288 >

この作品をシェア

pagetop