オフィスの甘い罠
「すいません、すぐに店に
行かせますから!」



あたしは余計なことは一切
言わず、それだけ告げて
すぐに電話を切った。



そして今度は柊弥に
こっちから発信する。



数回のコールの後、
応答があった。



『もしもし。どうした?』



「どうした、じゃないわよっ。

アンタ昨日、ボーイに
カード渡したんだって!?

今ママからこっちに電話が
あったのよ!」



一気にわめき立てると
少しの間の後、



『……あぁ。
そうだったな、忘れてた』



「はぁ!? 

――マジで信じらんないっ。

とにかく今すぐ店に行って
カード受け取ってきて!」



『今から?

……まぁ仕方ねーか、
昨日の支払いもあるしな。

けど、じゃあお前も来いよ』



「な、なんであたしまで
行かないといけないのよ!?」
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