オフィスの甘い罠
「おお、着いたか!

よし柊弥(シュウヤ)クン、
こっちへ来い」



金城さんは満面の笑みで
その男を手招きして、コの
字を描くソファのあたし
達の斜め向かいに座らせた。



男は涼しい顔してストンと
そこに腰を降ろす。



ボーイはすぐに他の女の
コを呼ぶため去って行った。



あたしは――新しいお客を
もてなすのも忘れ、一瞬
ボーッとしちゃってた。



なんでって……その男が、
“金城さんの連れ”って
ワードからは想像もつか
ないくらい、レベル
高かったから。



(ま、まぁ本当の息子じゃ
ないんだから、似てなく
たっておかしくないけど……)



だけどそれにしても、
この人はちょっと別世界の空気。
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