オフィスの甘い罠
全身からかもし出される
尊大なくらい堂々とした
オーラも、そのせいかも
しれない。



(だけど……よくいる
“親の七光バカ”とは
ちょっと違うみたいね……)



こーゆーとこじゃザラに
見かける、親が偉いだけで
自分も偉くて、何でも
できると思ってるヤツ。



最初はコイツもそうかもと
思ったんだけど、1時間も
経つ頃にはその予想は
間違ってたってハッキリ
気づいた。



だってコイツ――柊弥は
自分から親の話なんて
しようともしないし、
金城さんが

『柊弥クンの家は
すごいんだよ〜』

とか話を振っても、

『やめてくださいよ』

って言って顔をしかめてる。



親が自慢どころか、どっち
かってゆーと親の話を
出されるのもイヤみたい。
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