オフィスの甘い罠
「イヤ、誰だってそう思う
でしょ。

てゆーか社長にそんな
息子がいたってのも初耳だし」



(専務……? 後釜……?)



それで思い出す。


そういえば今日は、空席に
なってた副社長の後任を
発表し、就任挨拶を
するって言ってた日だ。

もしかしたらその話かも
しれない。



(なんだ……アホらし)



あたしの興味は一気にさめた。



だってただの派遣社員の
あたしには、こんなとこ
ただの出向先。


別に副社長が誰だったって
関係ない。



そう思ったあたしは周りの
騒ぎなんて素知らぬ顔で
席につき、PCを立ち上げた。



画面が明るくなるとすぐ、
日課のメールのチェックを
始める。



だけど―――届いてた
二通目のメールを読み
出したところで、あたしは
硬直した。
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