オフィスの甘い罠
「……やめてよ。なんで……」




――なんでこんなキス、
するのよ――…。




「………言ったろ。

オレは再会できて
嬉しいんだって」



低く穏やかな声が告げる。



「辞めるなんて言うなよ。

まぁ、辞めさせないけど」



「勝手に言ってれば。

あたしは辞めるわよ。


これ以上、あたしに
関わらないで……!!」



今度こそ渾身の力で柊弥を
突き飛ばす。



今はもう、あっけない
くらい簡単に拘束が解けた。



あたしは乱暴にドアを開け
放って、飛び出すように
部屋を出た――…。





     ☆☆☆☆☆



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