大好きな君にエールを*番外編





「そしたらね、たしかに貰いますねーって」


うっ……、にこやかに笑う荒ちゃんの顔が目に浮かぶよ。


「でも、麻帆がいるし受け取りませんよだって。やるね、彼氏♪」


荒ちゃんってそんな人だった?前は、貰ってたりしたような……あれ?どうだったかな?


「すごいよ、麻帆達って」


「え?」


「荒ちゃんは連絡手段が公衆電話しかないのに、よく続いたね」


「お姉ちゃん……」


「あたしじゃ耐えきれないよ。本当、妹でも尊敬するよ」


ほんのり甘い匂いを漂わせて、あたしの頭を撫でてくれたお姉ちゃん。うぅ、泣きそう。


「よく頑張ったね。もう少しで一緒になれるね」


頑張った。


3年間、寂しかったし不安になった。楽しい時でも荒ちゃんの笑顔が頭に浮かんだ。


でも、それももう終わり。


4月からは同じ大学。学部は違うけど、同じ学校に通えるんだ。


「ほら、メソメソしないでラッピングしよ!」


はーい!っと手を上げた。





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