大好きな君にエールを*番外編





目が覚めたら、


大空が見えなかった。


球場よりも狭く息が詰まるような空間……病室にいたんだ。


「元気っ……」


母さんの顔が見えた。何で泣いてんの?父さんも何泣きそうな面してんだよ。


「よかったですね。意識は回復したもようです」


俺はわけがわからないまま、白衣を着た男に診察をされた。大丈夫ですよ、と声をかけられたが……何のことだ?


「俺……球場にいたよな?」


医師が出て行った時に、ポツリと呟いた。


「ココにいる意味がわかんねーんだけど?」


母さんは涙を拭うばかりだったから、父さんに尋ねた。


「……帰る際にな、元気は倒れたんだよ」


「俺が?」


「あぁ。それから1日眠ったままで、今、目が覚めたんだ」


は?





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