大好きな君にエールを*番外編
そして、父さん達が帰った後、和島さんにお礼を言った。
「そう、その目の色こそ茂山くんね!」
「あ、あざっす」
「ふふっ、しばらくは精神を鍛え上げるために退院させないから、覚悟しときな?」
「マジっすか?」
「嘘っす。でも退院がまだなのは本当よ」
自分ではいいと思っていても、検査には本当のことが出るもんな。
「野球したいんすけど、駄目っすか?」
「駄目っす!ほら、安静にしておきなさい」
ちっ。どこか広場があれば、今すぐにでも野球をしてぇのにー。
病室は退屈だ。何もすることがない。勉強でもしようかな、野球の!
そして翌日まで、俺は病室でのんびり過ごしていた。今頃、アイツらは野球をしているんだよな。
いいなぁ、俺もしたいな。
コンコンッ
空の青さに目を奪われながら、野球部のことを考えていると、ノック音がした。どうぞの合図と共に、ゆっくり開かれたドアのもとには、
「お前ら……」
野球部がいた。