大好きな君にエールを*番外編
それから泣いた。
弱音を吐き出す俺を止めずに、一緒に泣いてくれた父さんと母さん。
「元気の涙、久しぶりに見たわ」
「お前もまだまだ子どもだな」
それを聞いたら急に照れ臭くなって、涙はぶっ止まった。
「……うっせ。子どもだっつーの」
見栄を張っても、やっぱり俺は子どもなんだ。なんだか、カッコ悪ぃや。
「野球部の子達が元気の顔を見に来たいって言ってるんだけど、いい?」
「当たり前じゃん。あ、でも明日まで待ってって伝えてて」
「明日?なんで?」
「自分に、ケリ、つけたいんだ」
俺の役目はココで終わった。だから、次にすることを見つけるんだ。それに、アイツに……荒嶋に言わなきゃ。
花龍のキャッチャーを頼む、と。
きっと、アイツはなんで自分なんだと怖がる。だから、精一杯サポートしてやるんだ。もちろん、荒嶋だけじゃなくて部員全員を。
「わかったわ」
俺と母さん、父さんは腫れ上がった目で笑い合った。