彼の視線の先、彼女。
「って瀬璃。本当どーした。すげー気になるんだけど」
肩を掴まれ目を無理矢理合わさせる。
直視なんて出来ない。
「何でもない」
誰か図書室に入ってくればいいのに。
そう思うけど皆部活してて入ってくるはずが無い。
この空間が恐い。
傷ついてるって知られたくない。
「何でも無い訳ないだろ」
少し低くなった声。
鋭く優しい矛盾した視線。
なんて思わせぶりなんだろう。
私の事なんとも思ってないならこんなことしないで欲しい。