彼の視線の先、彼女。
城田瀬璃、高校2年生。
自分の猫っぽい顔が嫌いな普通の女子高生。
「はい、出来た」
「サンキュー、これで今日も俺はモテちゃうなー」
ポンと背中を叩くとサイドの髪を嬉しそうに触ってニカッと笑う。
高1のときからコイツに振り回されっぱなしなんだと思うと大きなため息が出てしまった。
「うわー、ため息したから不幸になるー」
「千尋のせいだから、コレ確実」
永井千尋、正体不明キャラな私を振り回す男。
1年生のとき千尋と出会って、ようやく離れられると思ったらまた同じクラス。
腐れ縁というものなのか離れられない私たち。