Cm
結衣はあたしの隣の席に腰掛けて話を続ける。
「そうだよ!なんかね、今日久しぶりのライブなんだって。せっかくだから心も行こうよ~」
あたしの手を握ってね?ね?と迫ってくる。
「・・・でもあたし音楽とか全然わかんないからさ」
「大丈夫!!稜のバンド、メタル?とか激しい系じゃないから聴きやすいって言ってたし」
「う~ん・・・」
「じゃ、奢る!ご飯奢るから!ライブハウスなんか怖くて一人で行けないよ~」
本当に切実そうな顔をする結衣に、なんだか申し訳なくなってきた。行こうかな。どうせ暇だし。
「わかった。夜ご飯はパスタがいいかな」
「こころ~!」
ぎゅっと嬉しそうに抱きついてきた結衣を、ポンポンと叩く。
こういう所が可愛いんだよね。
「じゃあ学校終わったらだらだら藤沢向かおっか。横浜からだとちょっと遠いけど。・・・あ、稜にメールしとくね!」
「ねぇ、その稜のバンド名はなんて言うの?」
楽しそうに携帯を開いた結衣は、にっこり笑いながら答えた。
「Merry」