コスモス
…自転車の後ろに明日可を乗せて、僕はコスモス畑の道を通り抜ける。
「明日可」
「ん?」
「今日…ごめんな」
「…何が?」
「…内緒」
「何それ」
明日可の笑い声が、僕の背中に心地よく響く。
どんな形でもいい。
明日可がそばにいれば、それだけでいい。
夕焼けに染まるコスモス畑が、満開のコスモスを連想させた。
…晴れの日は日曜日で終わり、天気予報のお姉さんは梅雨の始まりを告げていた。
僕はぼんやり、季節が変わるんだと思った。
…変わっていくのは、季節だけであって欲しかった。