コスモス
「明日可」
「え?」
顔を上げた明日可の唇に、僕は自分のそれを一瞬重ねた。
周りの視線が集まる。
一瞬呆然とした明日可は、すぐさま耳まで真っ赤に染めた。
「な…っ!何いきなりっ!こんな人前で…」
「普通のカップルがしないこと、してみたくなった」
明日可を見つめたまま、僕は続けた。
「普通じゃなくてもいいじゃん。俺らは俺ららしく、な。」
ニヤッと笑う僕。
まだ少し赤い頬の明日可も、眉毛を八の字にして微笑んだ。
道行くカップルの誰でもない。
僕等は僕等なんだ。
「…帰ろっか」
僕は、明日可の手を取り歩き出した。
明日可もまた、少し微笑んで頷いた。