コスモス
……………
「フライドポテト2つ」
僕等は文化祭を思い切り楽しんでいた。
クラスの出し物を端から端まで見て回ろうという2人の意見の一致から、3階の端から1階の端まで回っていた。
「ん~っおいしっ」
ポテトを1本ほおばりながら、明日可は幸せそうな顔をする。
「この前のしなびたポテトとはやっぱ違うね」
「あははっ言えてる~っ」
僕等は2人並んで歩いていたものの、手はつないでいなかった。
さすがに学校で堂々とそこまでするほど勇気はなかった。
2人の間にある距離。
でもなぜか、今日はその距離さえも幸せに感じた。
いつもはない距離。
なんだかそれが2人だけの秘密のような気がして、少しくすぐったい。
やっぱり、今日は特別な日だ。
…2人でゆっくり立ち止まる。
2階の端までやってきた。
2人の目線が同時に上を向く。
気味の悪い音楽が流れるそこ。
「…お化け屋敷だね」
明日可がぽつっと呟いた。
そう。ここはお化け屋敷だ。