コスモス
「理想ねぇ。嬉しいこと言ってくれるじゃん」
ギッと背中をそらして、雅さんは言った。
「どんなとこが理想なの?」
雅さんの言葉が、あの日の姉貴と雅さんを蘇らせる。
「なんていうか…、凄い、安定してるじゃないですか。…安心感があるっていうか…」
…そう。
僕が、求めてるもの。
2人の間に流れる、絶対的な安心感。
「安心感ねぇ…」
少し考えて、雅さんは言った。
「そういうのは、すぐすぐ生まれるもんじゃないからね。俺と英里も、今みたいな安定した関係になるまでには色々あったし」
少し苦笑いをして、雅さんは続けた。
「時間が、作り上げてくれるものだと思うよ。2人で過ごす時間がね」
…時間が、作り上げてくれるもの。
「一緒に過ごす時間が長くなればなるほど、お互いの安心感も増えてくるんじゃないかな。…自然とね」
…あの日雅さんは、『一緒に過ごす時間』だと言った。
『時間』だけじゃだめなんだ。
結局、僕等には足りなかったのかな。
…『一緒に過ごす』時間が。