コスモス


……………

夏休みは、本気で勉強を頑張った。
こんなに勉強したのは生まれて初めてだ。

でも不思議と、苦痛ではなかった。
頑張ってる自分は、そんなに嫌いじゃない。








…「じゃあ、模試の結果は期待大だな」

シルバーのネックレスを手に取りながら、カズが言う。

「さぁ…。まぁ、今までよりははるかにましかな」

僕はそれをのぞき込み、答えた。


夏休み最後の日。模試の帰りに、僕たちは行き着けのシルバーアクセの店に来ていた。

ちょっとした息抜きだ。

久しぶりの買い物。
やっぱり少し、胸は躍る。

シルバーアクセを物色しながら、僕はふと目を止めた。

「そういや、瀬堂んとこにはどれくらい行ってんの?」

カズが僕に向かって聞く。
僕は、目を離せない。

「修平?」

カズも僕の視線に気付き、それを見た。

「…ふーん。いいじゃん」


僕はそれを手に取る。
僕がいつも手にする物とはかけ離れた雰囲気のそれ。


…小さな、シルバーリング。






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