コスモス
…………
「…なるほど、瀬堂がねぇ…」
高い秋の空の下で、体育のかけ声が響いていた。
フェンスから見える山が衣替えを始めている。
僕たちは、それを見下ろす場所に腰掛けていた。
僕の話を聞いた後、カズは聞いてきた。
「お前は、どうして欲しいの?」
少し考えるが、結局空を仰ぎ見て答える。
「…わからない」
トンボが、ブンッと音を立てて空を横切った。
「もう、移植しか道はないことはわかってる。そのためには、アメリカに行く方がいいってこともわかってる。でも…でも、それで助かるかっていうと…、わからないんだ。可能性が高いとは言えないんだ」
フェンスの向こうをじっと見つめながら、カズは聞いていた。
「今もし離れたら…もう二度と会えない可能性だって、ある。多分…2つの可能性は、半々くらいだ。明日可も…それをわかってる」
…わずかに生きる可能性と、二度と会えない可能性。
途方もない選択のように感じた。