コスモス
…なぁ明日可。
乾いた笑いが口をつく。
僕は、そのまま壁にもたれかかった。
下手くそなトランペットの音は、まだ廊下に響いている。
…なぁ明日可。
…僕はあれから、何度君に呼びかけただろう。
返事はないと、わかっていながら。
トランペットの音が止み、ガタガタと片付ける音が耳についた。
パタパタと遠ざかる足音を最後に、廊下に静寂が訪れる。
その中で僕は、ゆっくりと目をつむる。
『シュウ』
…大丈夫。
まだ声は、覚えている。
まだ君を、忘れていない。
忘れることなんか、
できない。