アイドルまっしぐら!!
「……ごめんね。君にこんなことを頼むのはすごく心苦しいんだけど。」




「……いえ。でも、私は良介くんを付き合ったことを後悔してません。本当は会うことすら夢みたいなことだったのに、良介くんに好きになってもらって、付き合うことができて、本当に幸せでした。」




「……君は本当にいい子だね。」




橘さんはそう言って立ち上がった。




「じゃあ、失礼するね。」



「……はい。」




私は、橘さんを見送り



光樹のいる部屋に戻った。



「……里奈?」




私は光樹を見たとき、堪えていた涙が流れ出した。




「……どうした?」




光樹は私をゆっくり抱き締めて、優しく問いかける。



私は、光樹の胸の中でしばらくの間、子どものように声をあげて泣いた。
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