らっく!!



「さあ!!お粥食べよ?」


「…うん…」


紘一さんからお茶碗を受け取りお粥を口に運ぶ。


「おいしい…」


口いっぱいにお粥の温かさが染み渡った。


「実は俺が作ったんだ。美味い?」


紘一さんは誇らしげに胸を張った。


「紘一さんが?」


意外な特技に驚いて声を上げる。


紘一さんがエプロンをして台所に立つ姿を想像してみた。


にっ…。


「似合わない…」


ダメだ。


おかしすぎる…。


「うわ…ひっどー!!」


紘一さんはケラケラと笑いながらお茶碗に次々とお粥をよそう。


「沢山食べて早く元気になってな!!」


「うん」


私は紘一さんに勧められるがままにお粥を完食した。


「お腹…いっぱい…」


うっ…。


ちょっと食べ過ぎ…?


「よしよし。じゃあ俺は会社に戻るから。いい子にしてるんだよ?」


「はーい」


紘一さんはやっぱり忙しい身の上らしい。


「そうそう大原ちゃんが来るって言ってたよ?」


最後に紘一さんはそう付け足した。


「凪ちゃんが?」


「何でも…積もり積もった文句をぶちまけたいとか…何とか?」


「……」


忘れてた…。


まだ凪ちゃんがいたことに―…。



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