Bar GRANT



俺はそんなのまっぴらだと言って絶対に出演しなかったけど、それでも文句を言われたことはない。



だって、そう、NAOはやりたくてやっているんだと思っていたから…―



「俺だけじゃないよ、MEGUもSOTAも、CDショップを回って宣伝したり、小さなイベントで手売りしたことだってある。でもお前は、何をした?」



「……」



「そうやって必死に集めた客を、お前はまるですべて自分のファンであるかのように思いあがって、メンバーを脇役扱いしてただけだろ」



「そんな…」



そんなつもりはない、と言いたくても、もうNAOは聞く耳を持ってくれなかった。




< 109 / 224 >

この作品をシェア

pagetop