リセット
雪解けの朝
柔かな日差しの中、目が覚めた。

コーヒーの香りがする。


そうだ、今日はシュガートーストでも作ろう。

コーヒーの香りに誘われながらうとうとと夢の余韻を楽しんでいた。

何だか誘拐されるスリル満点な夢…

「おはようございます。」

目を開けたアイは一瞬で我に返った。


「一応さらっと説明しておきますね。」
見覚えのある破れた紙切れを見ながら男は続けた。

「名前は変わらず鈴木アイ。歳は38歳となっていますね。えー独身です。親の遺産がたくさんあるようです。」
「何か質問は?」

「私は、その…どこです?ここ」

「新しいあなたの人生です」
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