ガラクタ姫

静まるあたし。

あたりは豹変していた。

残骸と言わんばかりの散らかりに、あたしはそれを美しいと思った。

アートだ、芸術だ、ピカソだ。

割れたガラス瓶からこぼれるビー玉やおはじき。

床に叩きつけられたぬいぐるみはあたしに笑いかけている。

花は綺麗に散らばってお花畑を連想させる。

あたしは危険だと感じていても近寄ってみる。

案の定、足の親指をガラスで切ってしまった。

血が出る。

< 9 / 120 >

この作品をシェア

pagetop