<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 あいつ、憎いあいつ。


――春増海翔。っく。――

 あの事件以来、その存在を忘れていた。

 部活に、勉強に、友情関係。

 いろいろ没頭していた。

 もちろん、事件自体忘れていない。

 しかし、海翔が桜と同じ中学に。

 不覚、不覚に襲われる。


 そういえば言ってた。

『桜と同じ中学に行くから。』

 あっ。

 そうだった。

 すっかり、あの言葉を忘れていた。

 “二つの大事件”を乗り越え、勝手にもう会わないと思い込んでいた。

 
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