<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 ぺちゃくちゃしゃべって歩いてて、一体どこに行くつもりなんだろう。

 どうやら、図書室に行くつもりらしい。

 まあ、桜と暖姫は同じクラスだけど、希欧は別だ。

 だけど、こうして週に何回か図書室に行く。

 三人は互いに親友と思っている。

 だから、部活中三人一緒じゃないと動けない時もある。

 これじゃあ、困るけどね。


 さて、桜は今まで横を向いていたが、ふと前に顔を向けた。

 そうしたら、十メートルほど向こう側に、男の子が走っている。

 追いかけっこしていて、逃げているのか。

 どんどん近づくと、海翔ではないか。

 桜は慌てて、また暖姫と希欧に顔を向く。

 しかし、時すでに遅し。



< 123 / 257 >

この作品をシェア

pagetop