<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
 今度は暖姫がサーブか。
 桜は顔色を変えて、構えている。

 暖姫が体の真横にボールをセット。

 海翔は暖姫より桜を見ている。

 暖姫はふわりとボールが上がる。

 一、二・・・。


「おい、まーしー(海翔)。」

 後ろを振り返れば、海翔の先輩で桜と同い年の唐橋教吾(カラハシキョウゴ)が。

 はっと海翔は我にかえる。

 ぼおっとしてたことがバレたか?

「もしかして、ずっと冬谷を見ていただろう。」

 やっぱり。

 海翔は嫌なところをつかれ、体中慌てる。


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