＜完＞ 冬桜よ、散りゆけ –諦めるべき恋なの？–

五 冬の桜、姿見えず

　冷たい風がだんだん感じるようになってきた、十一月の半ばの頃。

　今は夜中の九時。

　外は真っ暗。本当にお化けが出てきそうな予感。

　桜は一人、塾からの帰り道を歩いている。

　今はバレー部を引退。市大会の四回戦まで勝ち進んだ。
　その事を踏まえ、できればバレーの強いところに行きたいが、桜の両親はあまり賛成してない。


　頭の中は受験のことばかり。
　いくつかの候補があるけど、なかなか決まらない。

　レベルとか、家からの距離とか色々あるからね。

「早く部活に遊びに行きたいな。」

　時々こんなことも思う。

　そして、半分受験のことを思いながら、アタックの動作を軽くする。

　これで何かいいこと閃いたり、変わるようなことはないけどね。

　だけど、もう一回やる。