<完> 冬桜よ、散りゆけ  –諦めるべき恋なの?–
「えっ?」

 後ろに振り返る。

「片山が、檀をいじめろって言うから。」

 檀をいじめろ・・・

「どういうこと?なぜ桜に謝るの?」

 その声は、いつも以上に鋭い。


「だから、その・・・。」

 二の句が継げなくなった。

 下を向いてしまった。

「もういい。」

 桜は走りだしてしまった。

「ちょっと待った。」

 海翔も走り出す。

 
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