17歳の不良と6歳の殺し屋
普通にギィイイイっと開くなら何も思わないが何か擦れる様な。元々ドアのサイズを間違えてそのまま無理矢理はめ込んだ後の様な区切りの悪いギッギギ…ギギッと嫌な音だった。

翡翠は気にした様子もなく、澄ました顔で「じゃあ、行くわよ」とさっさと中に入って行った。

「雫、ちゃんとドア閉めるのよ」

それだけ行ってスタスタと歩いて行く翡翠。タンタンタンッと子気味のいい音と段々に翡翠の身長が上がって行くのを見ると、そこは直ぐに階段になっているらしい。
雫はその狭い入り口を入り後ろ手でドアを閉めようとした…が。

「……ん?」

ドアは閉まらなかった。ピクリともしない。まるで鉛で出来ているようだ。
雫は両手でグッと力を入れる。ビクともしない。
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