17歳の不良と6歳の殺し屋
学校。それはとてもウザくて、不思議な場所だ。
人は誰しも仮面を被っていて、それぞれ偽りの自分を出して人との関係を保っている。
人の目を気にして常に周りと同じようにしている。
だがその一方で、自分は何か特別でありたいと思うのだから、矛盾していると今更ながらに思う。

「関ケ原、お前いい加減自分の立場をわきまえないか」

私の後ろから、めんどくさそうに先公が呼びかけて来た。
私は振り向く事もなくそのまま歩を進める。

「コラ!聞いているのか!!」

そう一度は怒ったものの、こちらに歩み寄ろうとはせずに、先公は溜息を一つ吐いて私とは逆の方向へ歩み出す。

誰も好き好んで私に構おうとはしない。
金と銀のブレスレット。左に三つ、右に一つのピアス。赤い髪。化粧は…そんなに濃くはない。めんどくさいから。スカートは短め、襟を出してボタンを外して指定でない羽織を着ている。

私の名前は『関ケ原 雫(しずく)』
いわゆる、不良。
この学校で、尤も有名な不良娘だ。


「し~ずく~」


化粧臭い女の塊。むせ返るような匂いのさまざまな香水。

「…何?」

指を入れたら絶対引っかかるだろうと思われるその毛糸のような髪を一人の女がクルクルと自分の指に絡みつけてなまったようなムカつく喋り方で話してきた。

「あんたさ~この前ぇ別の高校の奴らとやりあったらぁ?」

「ああ」

女の言葉に私はそういえばと思い出したかのように応える。すると女は面白そうに笑うと仲間とヒソヒソと話しながらまた自分に問いかけてきた。

「あんたそれでいいの~?お勉強しないと不味いんじゃない?うちら二年生だよ~?」

「あんたらは?」

「うちら勉強してるもん。ね~!」

ウザイなぁ。

私は名前も知らないこの女共と何故こんな会話をしなくてはならないのかと馬鹿馬鹿しくなってそのまま歩いて行った。

「ちょっと~!シカトかよ!」

女共はそんな私にブツブツと文句を言った。
だが、追いかけては来ない。


私が有名なのは決して、不良という理由だけではない。
大体、これくらのグレ様はそんな珍しい事ではないはずだ。
では、何が原因か。
そんなものは決まっている。
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